私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

2016年夏・秋の買い物&いただきもの

ブログとめすぎクソワロタ、しか言葉がないです。

見えない何かが毎日すり減っていくような夏でした。

 

さて、この夏と秋に買った本&いただいた本。

本の下に説明をつけることにします。

 

 

心理学手帳[2017年版]
心理学手帳[2017年版]
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創元社
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アイデンティティとライフサイクル
E.H.エリクソン
誠信書房
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オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険
鈴木 光太郎
新曜社
売り上げランキング: 150,206

  

 

マシュマロ・テスト:成功する子・しない子
ウォルター・ ミシェル
早川書房
売り上げランキング: 7,213

  

 

エコロジカル・セルフ (クロスロード・パーソナリティ・シリーズ)
河野 哲也
ナカニシヤ出版
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個人と集団のマルチレベル分析
清水裕士
ナカニシヤ出版
売り上げランキング: 53,433

 

 

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

  

 

新しい霊長類学―人を深く知るための100問100答 (ブルーバックス)

 

 

その他に鬼のように古本で買いまくった教育心理学系の本もあるのですが、割愛。

あと、国立大学の附属図書館から廃棄本をダンボール1つ分もらってきたんで、それも結構おもしろそうなんだけど、まあそっちも割愛です。

そろそろ新しい本棚が欲しいなー。

『オプティミストはなぜ成功するか』(マーティン・セリグマン)

オプティミストはなぜ成功するか』 

マーティン・セリグマン 講談社文庫 1994年(リンクはパンローリング 2013年)

 

オプティミストはなぜ成功するか [新装版] (フェニックスシリーズ)
マーティン・セリグマン
パンローリング
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ぎゃー!

新装版になっとる…!

わたしが持っているのは講談社文庫版、1994年初版。それにはすでに「1991年8月、講談社より刊行されたものです」と書いてあるので、最初に日本語で読めるようになってからすでに25年経っているというのか…。

なんで出版社変わるのかな…?やっぱり、ビジネス書区分だと絶版が早いの?

ところで、わたしの手元にある講談社文庫版は、無意味にかわいいぶたさんが表紙にプリントされています。キュート。

でも、これ、犬の方が著者の栄光を辿れるよね、とか思うよね。

なぜ犬か?

そりゃ、セリグマンが犬に電気流して、「学習性無気力」を発見したからです。 

学習性無力感 - Wikipedia

マーティン・セリグマン - Wikipedia

ちなみに、学習性無力感は英語で「Learned helplessness」。それにひっかけて、この本のタイトルは「Learned Optimism」になっています。

ま、これがこの本の結論であり、主張ですよね。「楽観主義は学習できる!さあ、学習しよう!」

1991年にはすでに日本語で紹介されていたこの本はおそらくその数年前にはセリグマンが英語で原稿を書いていたのでしょうけど、パラパラとめくってみるに、めっちゃ内容が濃い…。エピソードが豊富…。すごいなあ。それから25年以上が経ち、こういうおもしろエピソード、さらに増えてるのかな…とか余計なことばかり考えてしまいます。

ちなみに、セリグマンはポジティブ心理学の創始者とも言われますが、そのおかげで、「世界一研究費を持っている心理学者」とも言われています。(少なくともわたしは大学院のときに先生方がそう言っているのを聞いたことがある。)なんでポジティブ心理学にそんなに研究費がつくのかといえば、気持ちがポジティブになる→健康増進→保険金の支払いが少なく済む…ということで、保険会社から研究費がガンガンついていた、ということらしいです。むしろその保険会社の発想がポジティブだし、風が吹けば桶屋空前のバブル景気、みたいな話ですけれども。

わたしがこの本を読んだのは大学生のときですが、ひさしぶりに手にとってみたら、付箋がいくつかはさんでありました。見てみると、だいたいがABCDE方式についてでした。どんだけ悲観主義を直したかったのでしょうか、大学生のときの自分。ABCDE方式については、他の方がブログにまとめていらっしゃいましたので、リンクを貼っておきます。

ABCDE方式でオプティミストになれる? - ミックス犬 セリの日記

楽観主義万歳!なセリグマンですが、しかしながら、楽観主義じゃない人は死ね!という人間観ではありません。さすがに…ね。じゃあどんな場合には悲観主義でいいのか?という例としてたしかこの本で挙げられていたのは、「原子力発電所の作業員」でした。悲観主義できっちりとミスを防ぐことが大切な職業もこの世にはあるよね、という例です。

楽観主義と悲観主義を組み合わせながらなんとかこの人生を生き抜いていきたいものですね…!

 

ということで、本日のもう一冊は、セリグマンが紹介されている教科書です。コラムでひどい書かれっぷりだったような気がするので、シュールな笑いが好きな人はぜひ。

 

『学習の心理学』

今田寛 培風館 1996年

 

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『赤ちゃんは何を聞いているの?―音楽と聴覚からみた乳幼児の発達』(呉 東進)

『赤ちゃんは何を聞いているの?―音楽と聴覚からみた乳幼児の発達』

呉 東進 北大路書房 2009年

 

赤ちゃんは何を聞いているの?―音楽と聴覚からみた乳幼児の発達
呉 東進
北大路書房
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先日学会で買った本をさっそく読みました。

個人的なことですが、2月に引っ越して以降、なかなか落ち着いて本が読めなかったのですが、なんとか最近は引っ越し前の水準に近い読書量になってきました。

 

『赤ちゃんは何を聞いているの?』ですが、いわゆる「赤ちゃん学」の本みたいでした。内容的には発達系の脳神経科学とか感覚知覚心理学で、大変勉強になりました。

そうそう、「日本赤ちゃん学会」という学会があり、学会誌は「ベビーサイエンス」です。おお、わかりやすい。

日本赤ちゃん学会

 

縦書きの本なので、一般向けなのですが、研究の紹介が平易かつ詳細で、心理学を勉強したことのない人にも読みやすい書き方になっていました。

ただ、論文から結果のグラフなんかも引用していたのですが、Nが記載されていなかったのが残念でした。たとえば、各群6人でやったのか15人でやったのか、あるいは30人でやったのかで、研究の確からしさのレベルは違うわけで、そういうところも読者に判断させてほしいな、と思いました。

 

しかしながら、全体として楽しく読めるし、「その研究は赤ちゃんを育てているときにどんなところで役に立てられるか」という点が具体的に書かれていたのが大変良かったです。

個人的には、音楽療法の神経科学的な説明が読めたので満足でした。音楽を処理する脳の部位が、体の動きの制御をする仕事も兼ねているので、音楽を聞くと赤ちゃんや障害者でもいつもよりスムーズな動きができるよ、という内容です。

音楽療法って心理療法に近いけど心理学の学科で学ぶ機会がなかったので、エセ療法じゃないないの?って大いなる偏見を持っていたのですが、考えを改めることができました。その節は大変に申し訳ございませんでした。

ちなみに、音楽療法士はピアノ試験があるので、そりゃあ心理学のほうではなかなか教えないよね…と思いました。

日本音楽療法学会:公式サイト

 

『皮膚感覚の不思議』と併せて読むと、赤ちゃんと関わる際に有効な感覚知覚の知識が総合的に身につけられそうだと思いました。

 

『皮膚感覚の不思議』

山口創 講談社ブルーバックス 2006年

 

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2016年5月14日の買い物

第34回日本生理心理学会大会で買いました。

 

『赤ちゃんは何を聞いているの?―音楽と聴覚からみた乳幼児の発達』

呉 東進 北大路書房 2009年 

 

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家から行ける場所であったので、非会員だけど勉強しに行ってみました。

びっくりしたのは、企業コーナーに本屋が1軒しか来てなかったことですね。北大路書房しか来ていませんでした。その他は全部、実験器具を売ってる会社。

分野が違うとこうも違うものなんですねぇ。

そういう点からも、勉強になりました。

 

学会では、島皮質の話を聞いて、以前より理解が深まりました。

脳の研究をする予定はまったくもってないですが、人間について知っていることが増えていくのはほんとうに楽しいことだなと感じます。

 

 

『脳のしくみ―脳の解剖から心のしくみまで』(新星出版社編集部)

『脳のしくみ―脳の解剖から心のしくみまで』

新星出版社編集部 新星出版社 2007年 

 

徹底図解 脳のしくみ―脳の解剖から心のしくみまで

新星出版社
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脳ー!

ってなるときあるよね。あるよね?

 

しかし、私のような文系人間には、脳を見るチャンスがないんですよね、残念ながら。たしか、医学らへんの人たちは、必修の科目で解剖とか見るんじゃないでしたっけ。そういうときに、脳を見るチャンスもあるのではないかと思うんですけど、いかんせん、文系なので、私にはそんなチャンスはない。

しかし、心理学に一歩足を踏み入れたが最後、文系の山だけでなく、理系の谷も渡りきらねばならぬことがあるのです。

そういうときには本を読む…というか、買うしかないのですが、なかなかわかりよい脳の本というのはないんですよね。

おそらく、脳系の本はだいたいが教科書として書かれていて、その教科書は本当は大学とか専門学校の科目に対応しており、つまり、書店で我々が見ることのできない赤い糸で順番につながれているのだと思うのです。

なので、最近は難民と化して、Amazon紀伊國屋に重課金してたわけですけど、その中で見つけたのが、『脳のしくみ―脳の解剖から心のしくみまで』です。

見開きの2ページで1トピックになっています。しかも、右のページはイラストとそれへのコメントのみです。わかりやすい。

もちろん、大学レベルかそれ以上の理解のためにはこの1冊では足りないのですが、いきなり上のレベルの本は読めないよ、というときは、この本を副読本あるいは予習用に置いておくと安心だなと思います。実際、これを左手で押さえながら、右手でピネルめくったりしてます。

 

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もちろん、素朴に学問を楽しむにはこれで十分です。 

余力があるなら、こっちも読んでおくと、知識の定着が進みます。

 

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『脳科学の教科書 神経編』(理化学研究所脳科学総合研究センター)

『脳科学の教科書 神経編』

理化学研究所脳科学総合研究センター 岩波書店 2011年 

 

ジュニアにもわかるように書かれた脳科学の本です。

岩波ジュニア新書の企画趣旨ってほんとに社会的意義高いよねぇ…。

岩波書店の書籍 岩波ジュニア新書

岩波ジュニア新書と講談社ブルーバックスに助けられながら社会人やっております。

 

本書は、「神経編」と「こころ編」と2冊で楽しむ本です。スタンダードがお好きなら、「神経編」からでしょうね。

扉のカラーを使って、いろいろ見せてくれているやさしさ。理系的な説明だけで終わらないような書きっぷり。 

なんというか、正統派という意味での「教科書」でもありつつ、「読んでいる人みんなにわかってほしい」という意識を持って書かれているという意味での「教科書」的、でもあります。

ほんと、大学で教科書にするのは、小学校~高校までの教科書とは違って、教科書にするために書かれた本じゃないんですよね。エクスカリバーのごとく、「力のある者のみ我を好きにしろ…!」的な本が多いんですよ。

そんな中で、「読んでいる人みんなにわかってほしい」という慈愛。久しぶりに心が洗われましたね…。新書読んでこんな気持ちになるなんて…。しかも理系の本…。

…気持ち悪っ!

まあそれはそれとして、あとがきを見るとわかりますが、この2冊の本はアウトリーチの一環として企画されてるんですね。

アウトリーチ - Wikipedia

理系の研究所にいて、生物系の実験をして、アウトリーチで岩波ジュニア新書。最高の人生じゃないのそれ…。うらやましい…。

とはいえ、おそらく中の人はおじさんばっかりなので、途中で色が変わる蛍光たんぱく質をKaedeって命名しちゃったりして、ネーミングセンスがさすがのおじさんっぷり。

BSIでの研究成果:光で特定の細胞をラベルする技術 - 理研BSIニュース No. 22(2003年11月号)- 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI)

(STAPとか名付けちゃうOBOKATAさんが持ちあげられるのもしかたがなかったのかもしれない。)

なんて、深読みするのはわたしのような悪い大人だけでいいです。

心の清らかな未成年たちは、心躍る読書体験を、「神経編」と「こころ編」でどうぞ。

 

『脳科学の教科書 こころ編』

理化学研究所脳科学総合研究センター 岩波書店 2013年

  

2016年2・3月の記事のまとめ

2016年2・3月は1冊でした…。

  

・心理学の本

 

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