『オプティミストはなぜ成功するか』
マーティン・セリグマン 講談社文庫 1994年(リンクはパンローリング 2013年)
マーティン・
セリグマン
パンローリング
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ぎゃー!
新装版になっとる…!
わたしが持っているのは講談社文庫版、1994年初版。それにはすでに「1991年8月、講談社より刊行されたものです」と書いてあるので、最初に日本語で読めるようになってからすでに25年経っているというのか…。
なんで出版社変わるのかな…?やっぱり、ビジネス書区分だと絶版が早いの?
ところで、わたしの手元にある講談社文庫版は、無意味にかわいいぶたさんが表紙にプリントされています。キュート。
でも、これ、犬の方が著者の栄光を辿れるよね、とか思うよね。
なぜ犬か?
そりゃ、セリグマンが犬に電気流して、「学習性無気力」を発見したからです。
学習性無力感 - Wikipedia
マーティン・セリグマン - Wikipedia
ちなみに、学習性無力感は英語で「Learned helplessness」。それにひっかけて、この本のタイトルは「Learned Optimism」になっています。
ま、これがこの本の結論であり、主張ですよね。「楽観主義は学習できる!さあ、学習しよう!」
1991年にはすでに日本語で紹介されていたこの本はおそらくその数年前にはセリグマンが英語で原稿を書いていたのでしょうけど、パラパラとめくってみるに、めっちゃ内容が濃い…。エピソードが豊富…。すごいなあ。それから25年以上が経ち、こういうおもしろエピソード、さらに増えてるのかな…とか余計なことばかり考えてしまいます。
ちなみに、セリグマンはポジティブ心理学の創始者とも言われますが、そのおかげで、「世界一研究費を持っている心理学者」とも言われています。(少なくともわたしは大学院のときに先生方がそう言っているのを聞いたことがある。)なんでポジティブ心理学にそんなに研究費がつくのかといえば、気持ちがポジティブになる→健康増進→保険金の支払いが少なく済む…ということで、保険会社から研究費がガンガンついていた、ということらしいです。むしろその保険会社の発想がポジティブだし、風が吹けば桶屋空前のバブル景気、みたいな話ですけれども。
わたしがこの本を読んだのは大学生のときですが、ひさしぶりに手にとってみたら、付箋がいくつかはさんでありました。見てみると、だいたいがABCDE方式についてでした。どんだけ悲観主義を直したかったのでしょうか、大学生のときの自分。ABCDE方式については、他の方がブログにまとめていらっしゃいましたので、リンクを貼っておきます。
ABCDE方式でオプティミストになれる? - ミックス犬 セリの日記
楽観主義万歳!なセリグマンですが、しかしながら、楽観主義じゃない人は死ね!という人間観ではありません。さすがに…ね。じゃあどんな場合には悲観主義でいいのか?という例としてたしかこの本で挙げられていたのは、「原子力発電所の作業員」でした。悲観主義できっちりとミスを防ぐことが大切な職業もこの世にはあるよね、という例です。
楽観主義と悲観主義を組み合わせながらなんとかこの人生を生き抜いていきたいものですね…!
ということで、本日のもう一冊は、セリグマンが紹介されている教科書です。コラムでひどい書かれっぷりだったような気がするので、シュールな笑いが好きな人はぜひ。
『学習の心理学』
今田寛 培風館 1996年
今田 寛
培風館
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