私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

『よくわかる心理統計』(山田剛史・村井潤一郎)

『よくわかる心理統計』

山田剛史・村井潤一郎 ミネルヴァ書房 2004年

 

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山田 剛史 村井 潤一郎
ミネルヴァ書房
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わたしほど統計が苦手だと、統計の本は相当持っています。いままでの本じゃダメだったけど、これならいけるんじゃないか…という淡い希望を胸に買うわけです。で、5冊買ったら3冊くらいは、本の匂いを嗅いでそっと本棚にしまったっきり、なんて具合です。そうやって出会いと別れを繰り返しているうちに、博士になりました。

みなさんはそうなってはダメですよ。

でも、『新・涙なしの統計学』なんてタイトルの本もあったりするので、みんな苦しんでいるというのはおわかりいただけるのではないでしょうか。しかも、翻訳本です。海の向こうでも、みんな泣いているのです。

 

新・涙なしの統計学
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そのような中に、綺羅星のごとく現れた『よくわかる心理統計』。もはや、21世紀の名著といっても過言ではないでしょう。ただし、日本の、心理統計に関して、ですが。

『よくわかる心理統計』は、わたしが学部生の頃に出版された本ですが、その頃、先生方が推していたのが印象に残っていますね。初学者向けの心理統計の本として適切なものが、当時、あまりなかったのです。ちなみに、当時というのは10年くらい前の話です。その後も、『よくわかる心理統計』を超える綺羅星は現れていないのではないでしょうか。超えるほど話題になっていたら、絶対に聞こえてくるはずです。

『よくわかる心理統計』は、学部で心理統計を履修している人にオススメです。教科書に指定されているかもしれませんが、もしもされていないとしたら、副読本として自分で買ってしまうのもいいと思います。授業でわからないところがあったら、この本で復習するといいです。

『よくわかる心理統計』には、心理統計を学ぶ学生の会話形式で書かれたコラムなんかも載っていて、とっつきやすいです。というか、『よくわかる心理統計』なのに、「よくわからない心理統計」という節があったりして、全体的におちゃめです。心理統計は大学の心理学科ではたいていどこも必修ですから、苦手な学生もいるという前提で書かれているのでしょうね。著者のやさしさに、逆に涙が出ちゃう!

ちなみに、『よくわかる心理統計』以前に初学者向けと言われていたのは『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』です。なお、難易度としては、『よくわかる心理統計』の方が易しいです。

 

『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』

吉田寿夫 北大路書房 1998年

 

本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本
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