『かくかくしかじか』
心理学の本ではないですけれど。
大学の課題で、「自分で何か本を選んで読んできて、○○心理学的な考察を加えなさい」みたいなのが、結構あります。
青年心理学だと、結構出してる先生多いんじゃないでしょうか。
本だけじゃなくて、映画も可、というのもよく見かけます。
『かくかくしかじか』、人から借りて読みました。
貸してなんて一言も言っていないのに、貸されたんですよ。ひどくないですか?わたしには、授業準備とか、昼寝とか、twitterとか、研究とか、やることがたくさんあるのに!
まあ、そんなことを思いながら読んだわけです。
個人的には、大号泣でしたね…。敗北です…。何に対してかは知らねども…。
『かくかくしかじか』は、東村アキコの自伝的マンガで、主人公・アキコがいかにしてマンガ家になったか、という話です。いかにしてなったかというと、絵画教室のおっかない先生に竹刀でしごかれながら美大受験して、美大に行ってからもその先生に散々めんどうみてもらったくせに、結局大した恩返しもできずにバイバイ、アキコはマンガ家になりました、というふうにしてなったんですね。話としては「師弟モノ」ですね。
東村アキコは、『きせかえユカちゃん』が最初の連載作品なんですねえ。知らなかった。高校のとき、寮の先輩がCookie買ってて、貸してくれたりしたので、『きせかえユカちゃん』、たまに読んでた!
最近では、『海月姫』で有名ですね。
『海月姫』、アニメ化のときのエンディングテーマはサンボマスターでしたね。アニメ見てないけどね。サンボマスター大好きだからね、わたし。
脱線しました。
『かくかくしかじか』ですが、何の観点で読むとおもしろいかというと、やっぱりキャリア発達、でしょうね。そう、スーパーです。(Superって名前もすごいよね。)
アキコの「マンガ家になりたい」という希望が、美大受験だったり作品投稿だったりと、現実味を伴っていく様に着目して読んでみると、また違った味わいがあります。
他にも、美術領域への参入という点で読めば、正統的周辺参加の様子が描かれていると見ることもできるかもしれません。
そうか、個人の側を見ればキャリア発達、全体の様子を把握すれば正統的周辺参加なのかもね。納得~。
いずれにせよ、ある人の職業への参入が時間の流れを伴って整理されている本はなかなかありません。考察しながら読むのもとっても楽しいですよ。
キャリア発達についてはこちらの第7章「キャリア発達」を参照しました。
『マネジメントの心理学』
伊波和恵・髙石光一・竹内倫和 ミネルヴァ書房 2014年
正統的周辺参加については、当然ながらこの本を読んでいます。
『状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加』
ジーン・レイブ エティエンヌ・ウェンガー 佐伯胖・訳 産業図書 1993年