私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』(齊藤勇)

 『イラストレート 恋愛心理学:出会いから親密な関係へ』

齊藤勇・編 誠信書房 2006年

 

イラストレート 恋愛心理学―出会いから親密な関係へ

わたしの中では、中学生に恋バナをしかけるのがブームです。なにそれきもい、と、たぶん中学生には思われていることでしょう。

でも、他者と親密になるのって、素晴らしい体験だと思いませんか。結果じゃなくて、プロセスから得るものも多いと思います。だから、人格発達の途上にある中学生に、恋の話を聞きたくなるのです。恋してるかい、自分を乗り越えてるかい、と。

『イラストレート恋愛心理学』は、みんな大好き恋愛心理学の、なんと、「ちゃんとした本」です。

巷には、心理学の専門家じゃない人たちが、売れるように書き散らした恋愛心理学の本が溢れています。しかし、この本は、心理学の専門家たちが集まって一生懸命書いたもので、データに基づいて、現状最も正しそうなことだけが紹介されています。素晴らしいと思いませんか。

出会い~発展~親密化、の3部構成で、コラムも豊富です。ドキドキ系の恋愛の話だけではなく、ドキドキ系の恋愛が、どう日常にソフトランディングしていくのかについてまで書かれています。また、恋にまつわる諺なども引きながら、日常的に言われている恋のあれこれを、心理学の研究に照らして、可とか不可とか判じています。

恋愛という身近な大問題を扱った本として、これ以上誠実かつおもしろく書くのは無理じゃないかな、と思います。

執筆者は15人!超豪華ですね。

わたしは大学生のときにこの本を買ったのですが、当時もいまと同じにお金がなくて、古本で買いました。そしたら、コラムに載ってる各種チェックリストに、鉛筆書きで回答が入っていて、おおう、わたし、いま、誰かの恋を覗き見ている…!と興奮したのを覚えています。いまもその本を左側に開いてこのエントリを書いているのですが、古本だからこそ、この本は捨てられないなあ、と思い直しているところです。

恋に準備はいらないけれど、振り返るのならこの本で、というふうに、オススメしておきます。

あるいは、いままさに恋の最中の人は、会えない夜にこちらの本などどうでしょう。

 

『孤独の科学:人はなぜ寂しくなるのか』

ウィリアム・パトリック、ジョン・T・カシオポ 柴田裕之・訳 河出書房新社 2010年

 

孤独の科学---人はなぜ寂しくなるのか
ウィリアム・パトリック ジョン・T・カシオポ
河出書房新社
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『イラストレート恋愛心理学』は、以下の記事でも以前少し紹介しています。

psychologicalbookshelf.hatenablog.com

 

『孤独の科学:人はなぜ寂しくなるのか』は、以下の記事で以前紹介しています。 

psychologicalbookshelf.hatenablog.com