『改訂版 アサーション・トレーニング―さわやかな〈自己表現〉のために』（平木典子）

 『改訂版 アサーション・トレーニング―さわやかな〈自己表現〉のために』

平木典子　金子書房　2009年

改訂版　アサーション・トレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために

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平木 典子
金子書房
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「さわやかな自己表現のために」って、なんだかすごいですね。

梅雨になりまして、じめじめしていまして、さわやかさなんて欠片も感じられない空気の中、この記事を執筆しています。

まあ、天気がよくてカラッとしていても、わたしの自己表現にはさわやかさなんて微塵もないのですけどね。

 

アサーション、というのは、うーん、自分も相手も大切にするようなコミュニケーションの技法？とか言えばいいのかな？

まあ、カタカナで術語になっていることを考えると、意味をぴったりととらえた日本語に訳すのは難しい概念であることは疑いがありません。

ということで、困った時のWikipedia先生です。 

アサーティブネス - Wikipedia

…よくわかんないですね。

困ったときのCiNii検索。

賞賛的アサーションの効用

本文冒頭を読むに、「社会的に適切なコミュニケーション」がアサーションなのでしょうか。ちょっとよくわかりません。 

そして、SSTとの違いもよくわかりません。アサーションはソーシャルスキルの下位概念なのでしょうか。

ソーシャルスキルトレーニング - Wikipedia

臨床の世界には、類似の概念が多いなあ、と思うことしきりです。

でも、しょうがないんですよね。臨床心理学って、実質的に「心理工学」だと思うので。つまり、発明なのですよね。発明って、同じときに、別々の場所で、別々の人が、ほぼ同じものを作っちゃうときあるじゃないですか。ああいう感じなのだと思います。

 

それはそれとして、『改訂版 アサーション・トレーニング』を読んだときに、わたしがどれだけ衝撃を受けたかということを書かねばなりませんね。

衝撃を受けたんですよね。

アサーションの基礎的な考え方として、「人間には、言いたいことを言う権利がある」というのがあるみたいなんですよ。それは、この本を読んでいても、繰り返し述べられていることです。 

言っていいんだー、って、衝撃でしたね。「権利」なんだ、と。

なんというか、対面のコミュニケーションでは、黙ってれば嵐は過ぎるはず…って思ってしまうことが多いのですよね、わたし。なんか相手の人がひどいことを言ってきても、わたしがなんとなく笑っていれば、この場もいずれ解散なのだ、みたいな。だから、結構ひどいことを言われて、反論しないで帰ってきてしまうことが多いです。

別に全然無口ではないんですが、いやむしろすごいよくしゃべるほうなんですが、にもかかわらず、そうなんです。

なので、思ってることは言っていいんだよ、というメッセージ自体が衝撃的でした。

そして、アサーション・トレーニングというのは、思っていることは言っていいんだけど、できれば言った方も言われた方もあんまりダメージがないほうがいいだろうから、伝え方を工夫しましょう、練習しましょう、ということなわけです。

人にものを言う、ということを、わたしたちは、目が覚めている間中していると言っても過言ではありません。

たとえば手書きの文字に人それぞれの癖があるように、ものの言い方にも癖があるはずです。自分には読める字でも他の人には読みにくい、ということが多々あるように、自分は普通に言ったつもりでも、相手を傷つけてしまって怒らせてしまうとかがあるわけです。なので、自分の伝え方を見直したい、というときなんかにこの本を手に取ってもらえたら、何か得るものがあるんじゃないかと思います。

 

著書の平木先生のご経歴は、このようになっています。 

平木典子 - Wikipedia

『改訂版 アサーション・トレーニング』は、縦書きで、初学者の人にもわかりやすく書いてあると思います。そのため、心理学を一切勉強したことがない人にも読むことができると思います。

『改訂版 アサーション・トレーニング』で臨床心理学に興味を持ったならば、『新版 カウンセリングの話』で、もう少し広く学んでみるのもおもしろいと思います。ちなみに、『新版 カウンセリングの話』も縦書きです。

 

『新版 カウンセリングの話』

平木典子　朝日新聞社　2004年

新版 カウンセリングの話 (朝日選書)

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