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私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

『オオカミ少女はいなかった――心理学の神話をめぐる冒険』(鈴木光太郎)

いただきました 心理学研究法 心理学史 副読本

『オオカミ少女はいなかった――心理学の神話をめぐる冒険』 

鈴木光太郎 新曜社 2008年

 

オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険
鈴木 光太郎
新曜社
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2016年夏・秋の買い物&いただきもの - 私家版・心理学の本棚

これに書いた中の1冊です。4月くらいに知り合いの先生からおさがりでもらったやつを、9月上旬くらいに読み終えました。

縦書きです。縦書きの心理学の本、久しぶり!!(臨床とか論考系のものからどれだけ遠ざかっているか、ということですね。)

オオカミ少女からワトソンのアルバート坊やまで、大学1年生の心理学の教科書に出てきてしまう由来の曖昧な「神話」について、コテンパンにする本です。

「神話」が生まれた状況は、研究者が意図を持って捏造したと疑われるものから、「論文で諸々省略しすぎ」というグレーゾーン、はたまた「世間に出すとき話盛りすぎて収拾つかなくなった」というものまで、いろいろのようです。(捏造って、研究費の偏りみたいなものから生まれると思っていたけど、単純に目立ちたいとか学者として名を馳せたいとかいう動機でも起こるんだなあと素朴に感心しました。いつの時代もするやつはする、というのが捏造なのかもしれません。)

全体として、よく調べてあるし、とても勉強になるのですが、「神話を紹介することを禁じられた教科書執筆者は、どうやって初学者の気を引けばよいのだろう?」というところが少しだけ引っかかりました。「神話」は、教科書の中で、教科書の本論と読者をつなぐ役割をしていると思います。そして、本論は読者の日常生活やそこにおける思考と乖離しています。そのため、その距離を縮めるために「神話」が紹介されるのではないでしょうか。教科書執筆者だって「神話」の得体の知れなさには薄々気がついていたと思うのですが、「神話」が読者に与えるものが大きいがゆえに使ってしまうのだと思います。「神話」はいけない、というのは当然わかりますが、じゃあどうするの、というところに対し、本書はなかなかクリエイティブな答えを提示していなかったような気がします。

まあ、論文の査読と同じで、審査する方は言いっぱなしでいいという考えなのかもしれませんが。

ともあれ、勉強になるので、非常勤講師として授業を持ち始めたら、一読しておくことをおすすめします。

ちなみに、増補版が出ていますので、そちらのほうが安くて内容もあるのではないかと思います。(私は持っていませんが。)

 

『増補 オオカミ少女はいなかった:スキャンダラスな心理学』

鈴木光太郎  筑摩書房 2015年 

増補 オオカミ少女はいなかった: スキャンダラスな心理学 (ちくま文庫)
鈴木 光太郎
筑摩書房
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 心理学史の本としては、こちらももらった(上にもらったことを忘れてしまいさらに買ってしまって2冊持っている)のですが、いまだ読んでおりません。(最初に入手してからもう7年くらいになると思います。)

勉強…したい…。

 

『心理学史への招待――現代心理学の背景』

梅本尭夫・大山正 サイエンス社 1994年  

心理学史への招待―現代心理学の背景 (新心理学ライブラリ)
梅本 尭夫 大山 正
サイエンス社
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