私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

『クロニンジャーのパーソナリティ理論入門:自分を知り、自分をデザインする』(木島伸彦)

 『クロニンジャーのパーソナリティ理論入門:自分を知り、自分をデザインする』

木島伸彦 北大路書房 2014年

 

クロニンジャーのパーソナリティ理論入門: 自分を知り,自分をデザインする
木島 伸彦
北大路書房
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クロニンジャーのパーソナリティ理論について勉強したいなーと思って待っていたのですが、とうとう日本語で読める本が出ました、という感じです。

パーソナリティというのは平たく言えば性格ですね。だから、「自分を知り」と副題がついているのでしょう。

パーソナリティ理論はいくつが勢力が強いのがあるので、クロニンジャーさんのやつは「クロニンジャーの」とつけるのですね。

平易な言葉で書かれていますし、パーソナリティ心理学と混同されやすい血液型性格診断との違いなどにもページが割かれていて、比較的初学者向けではありますが、かといって前提知識なしで読めるかというとやや難しいかもしれません。

なにせ、パーソナリティ心理学というのは臨床心理学の隣接領域みたいなものなのです。そのため、各種パーソナリティ理論は、精神疾患の説明に力を注いでいます。クロニンジャー理論も当然そうなっています。よって、精神疾患、特に、パーソナリティ障害の名前をひとつも知らないで読むと、悲鳴を上げるほど混乱する可能性があります。

わたしはごくごく趣味的な興味で、大変にパーソナリティ障害が好きなのですが、それでも読みながら混乱しかけました。ややこしいんですよね。パーソナリティ障害も、クロニンジャーの提案している様々な概念も、結構数が多いので。なので、精神疾患についてさらりと知っておいてから読んだ方がいいと思います。

でも、わたし、どこで精神疾患について学んだんだろう…と考えてみてもあまり思い出せません。気がついたら、これとか読んでました。(Ⅳ-TRなのは、わたしが大学院の受験勉強をしているときにはこれが最新版だったからです。現在は5が最新です。) 

 

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それはさておき、自分の性格について悩んでいる人には、『クロニンジャーのパーソナリティ理論入門:自分を知り、自分をデザインする』はとてもオススメです。

わたしも長年、自分の性格について悩んでいましたが、この本を読んで、「そっか、しかたないな!」と開き直ることができました。もちろん、著者およびクロニンジャーが望んているのはそういう解決ではないはずですが。

でもまずは、知るところからですよね。

 なお、性格以外のことで悩んでいる人には、こちらがオススメです。

 

 『自分のこころからよむ臨床心理学入門』

丹野義彦 坂本真士 東京大学出版会 2001年

 

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