私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

『マネジメントの心理学:産業・組織心理学を働く人の視点で学ぶ』(伊波和恵・竹内倫和・高石光一)

『マネジメントの心理学:産業・組織心理学を働く人の視点で学ぶ』

 伊波和恵・竹内倫和・高石光一 ミネルヴァ書房 2014年

 

マネジメントの心理学: 産業・組織心理学を働く人の視点で学ぶ
伊波 和恵 竹内 倫和 高石 光一
ミネルヴァ書房
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あんまりお金がないので、就職しようかな、と思ったんですよね、先日。

でも、28年の人生の中で、22年ほど学生だったため、就職についてのイメージが全然湧かない。そもそも、会社って、何やってんの…?

わかんないときは本を読めばいいのだ、と思って生きてきているので、さくっと検索さくっと取り寄せ、そして読んだのが、『マネジメントの心理学』です。

大学で教科書として使うことが想定されているようで、各章、事例~理論~コラム、という構成です。

事例の主人公「理」くん(ちなみに女の子の友だちは「心」ちゃん)、めっちゃ頭が軽い感じで、ややイラっとします。「結婚とか出産とかご主人の転勤とか、女の人は大変だね」と女の人に言っちゃったりするのはかなりやばいですよね…。当然、事例のストーリー中で非難を轟々と浴びるわけですけど。それにしたって、新卒男性社員ってこの程度しか将来のこと考えてないのだろうか…社会とはおそろしいところやで…と思ったわたくしでありました。

『マネジメントの心理学』で扱っている内容は、網羅的といえると思います。採用~人事~メンタルヘルス~起業、と、副題通り、「働く人の視点」でキュレーションされていると思います。働いている人が、一冊手元に置いておいて、その時その時で必要な章を読むのでもよし、買ってすぐ通読して自分を振り返るのもよし、という感じでしょうか。

紹介されているのは、理論やモデルが多いので、いま目の前にある現象を見るときにはよい武器になると思います。現象はそのままでは複雑すぎるから、モデルに当てはめて眺める方がすっきりします。すっきり見たら、さくっと介入すればいいだけなので、まずはすっきり見るための用意を、本を開いてするべきなのですよね。

ところで、『マネジメントの心理学』は、表紙がちょっとポップです。本棚が明るくなる感じ。心理学の本の表紙のデザインなんて普段気に留めることがないのですが、これはいい感じです。そして、表紙の紙も、さらさらふわふわしているのに丈夫っぽくて、なにか仕事の流儀を感じますね。

そっか、この本も、誰かの仕事の結果なのですなあ。

そんなことを思いながら、2社ほど採用面接を受けましたが2社とも落ちたので、就活はやめてしまったわたくしでした。

でも、本を片手に実践するのは、学びが大きくておもしろかったです。なんだか、小学校の生活科の授業のようでした。

 

「○○の心理学」つながりで、今日の2冊目として、こちらを紹介しておきますね。

 

『パーソナリティと臨床の心理学―次元モデルによる統合』

杉浦義典・丹野義彦 培風館 2008年

 

パーソナリティと臨床の心理学―次元モデルによる統合 (心理学の世界 教養編)
杉浦 義典 丹野 義彦
培風館
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 なお、『マネジメントの心理学』は以前こちらの記事でも紹介しました。

 

psychologicalbookshelf.hatenablog.com