私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

大学が始まらなくてお困りの心理学徒へ(5):学校での勉強に関する論文を紹介

引き続き、卒論ネタ集です。

第5回は、「学校での勉強」に関する論文を紹介していきます。

学校での勉強の論文は、学校段階に注意しながら読むのが大事です。小学校と中学校と高校と大学、全部環境が違います。特に、中高は受験があるのが特徴です。小学校は自動的に中学校に上がれるし、大学の後はほとんどの人が進学しないで就職になるので、学校の勉強で成果を求められる状況にありません。そのへんに留意しながら読むといいのではないかと思います。

(しかし、大学、なんらかの方法でそれぞれ始まってきましたね。記事のタイトルはあえてそのままにしていますが。)

 

なお、前回までの記事はこちら。

大学が始まらなくてお困りの心理学徒へ(1):不安の論文を紹介 - 私家版・心理学の本棚

大学が始まらなくてお困りの心理学徒へ(2):就職活動の論文を紹介 - 私家版・心理学の本棚

大学が始まらなくてお困りの心理学徒へ(3):アイデンティティの論文を紹介 - 私家版・心理学の本棚

大学が始まらなくてお困りの心理学徒へ(4):友人関係の論文を紹介 - 私家版・心理学の本棚

 

(1)学業成績と原因帰属

学業成績についての原因帰属の推測過程の発達

速水敏彦先生ですね。『他人を見下す若者たち』の著者の方です。

 

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

 

 

(2)大学の初年次授業と大学適応

初年次前期の授業での対人関係への動機づけが大学適応に及ぼす影響

なんだかホットなテーマですね。

 

(3)中学生の成績と友人関係

中学生の学業成績と学業コンピテンスの関係に及ぼす友人の影響

優秀なお友達がいると、成績とコンピテンスの関連を認識しにくくなるという結果のようです。なるほど。

 

(4)高校生の英単語学習方略使用

高校生の英単語学習方略使用と認知的・動機づけ要因の関係

各科目ごとにいろいろな方略や動機づけの研究があります。例として英語について置いておきますね。

 

(5)大学生の専攻への興味の変化

大学生における専攻している分野への興味の変化様態

今年はこれで悩んでいる人多そうですね。自粛の間に他のことに興味が出てきちゃった、とかありそうです。

 

(6)小・中学生の学習観

小・中学生の学習観とその学年間の差異

学習観。「勉強を何だと思っているか」ですね。知能観もそうですけど、割と、「何だと思っているか」って大事だなと思います。

 

(7)小学生の読書と国語学習スキル

札幌学院大学学術機関リポジトリ

読書は国語スキルを高めるようです。

 

(8)高校受験とストレス関連成長

高校受験期に生じるストレス関連成長

通過儀礼」って感じの研究ですね。

 

(9)高校受験と母親からのサポート

高校受験期における母親からのソーシャル・サポートが子どもに与える影響

父親は…?

 

(10)協同学習と動機づけ

協同学習における動機づけ調整方略尺度の作成

グループ学習とかを理解しようということでしょうか。ちゃんと読んで勉強したい論文です。

 

新型コロナウイルスによる休校が長引き、いま、「学校は本当は何をするところだったのか」について、みんなが考えているようです。勉強するところ?それとも、運動会や遠足で思い出を作るところ?

勉強に関する論文を眺めながら、学校とは何をするところなのかについても考えを深められるといいですね。

 

モティベーションをまなぶ12の理論

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  • 作者:鹿毛雅治
  • 発売日: 2012/04/18
  • メディア: 単行本