『脳科学の教科書 神経編』
ジュニアにもわかるように書かれた脳科学の本です。
岩波ジュニア新書の企画趣旨ってほんとに社会的意義高いよねぇ…。
岩波ジュニア新書と講談社ブルーバックスに助けられながら社会人やっております。
本書は、「神経編」と「こころ編」と2冊で楽しむ本です。スタンダードがお好きなら、「神経編」からでしょうね。
扉のカラーを使って、いろいろ見せてくれているやさしさ。理系的な説明だけで終わらないような書きっぷり。
なんというか、正統派という意味での「教科書」でもありつつ、「読んでいる人みんなにわかってほしい」という意識を持って書かれているという意味での「教科書」的、でもあります。
ほんと、大学で教科書にするのは、小学校~高校までの教科書とは違って、教科書にするために書かれた本じゃないんですよね。エクスカリバーのごとく、「力のある者のみ我を好きにしろ…!」的な本が多いんですよ。
そんな中で、「読んでいる人みんなにわかってほしい」という慈愛。久しぶりに心が洗われましたね…。新書読んでこんな気持ちになるなんて…。しかも理系の本…。
…気持ち悪っ!
まあそれはそれとして、あとがきを見るとわかりますが、この2冊の本はアウトリーチの一環として企画されてるんですね。
理系の研究所にいて、生物系の実験をして、アウトリーチで岩波ジュニア新書。最高の人生じゃないのそれ…。うらやましい…。
とはいえ、おそらく中の人はおじさんばっかりなので、途中で色が変わる蛍光たんぱく質をKaedeって命名しちゃったりして、ネーミングセンスがさすがのおじさんっぷり。
BSIでの研究成果:光で特定の細胞をラベルする技術 - 理研BSIニュース No. 22(2003年11月号)- 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI)
(STAPとか名付けちゃうOBOKATAさんが持ちあげられるのもしかたがなかったのかもしれない。)
なんて、深読みするのはわたしのような悪い大人だけでいいです。
心の清らかな未成年たちは、心躍る読書体験を、「神経編」と「こころ編」でどうぞ。
『脳科学の教科書 こころ編』