私家版・心理学の本棚

じょー、本を読んでいろいろ書くことを決意。

『よくわかる産業・組織心理学』(山内裕幸・金井篤子)

『よくわかる産業・組織心理学』

山内裕幸・金井篤子 ミネルヴァ書房 2007年

 

ちょっと会社というところに行かねばならなくなったので、自衛のために読んでみました。

産業・組織心理学というのは、学部から心理学を始めちゃった人間には、なかなかご縁のない分野なのですよね。やっぱり、会社というところがわからないままに勉強するのは難しいというのがあると思います。

かくいうわたしも、10年も心理学を勉強していての未開の地、産業・組織心理学でございました。

 

いやー、おもしろかったですね。

なんというか、研究の意図がはっきりしているので、読んでいてすがすがしかったです。もちろん、研究の意図はずばり、「会社を儲けさせるための人事戦略」ってところでしょう。

だからなのか、制度作りや介入というものが念頭に置かれた変数で研究が進んでいるという印象を持ちました。介入可能な概念ばかり提唱されているというか。そういうのは、もうちょっと基礎に寄ると、あんまりないような気がします。

 

この本は、やっぱり、人事部に配属されたら読んでいてほしい…。これくらいは…勉強していてほしい…。せめて…。

でも、人事部の人だけではなく、これから会社に入る人にも読んでほしいなと思いました。人事部的視点で会社を見れるようになると、シュウカツってなんなのかとか、働くってどういうことなのか、といったことについて、前より多角的な考えを持つことができるのではないかと思います。あと、メンタルヘルスの章があるので、自衛にも役立ちます。

しかしながら、いきなり読むのも悪くはないのですが、やっぱり社会心理学が事前科目だな、という感じではあります。産業・組織心理学は、応用分野なので、できれば、社会心理学あたりで、対人関係の理論とか、ストレスの基本事項とかを抑えてからチャレンジしたほうが、すっと入ってくると思います。

その点では、『マネジメントの心理学』のほうが初心者向けかもしれません。

 

『マネジメントの心理学:産業・組織心理学を働く人の視点で学ぶ』

伊波和恵・竹内倫和・高石光一 ミネルヴァ書房 2014年

 

マネジメントの心理学: 産業・組織心理学を働く人の視点で学ぶ
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ミネルヴァ書房
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なんか、ミネルヴァ書房のまわしものみたいになっちゃった!

偶然だよ!

 

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