10月は、心理学の本3冊、副読本1冊でした。
・心理学の本
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・副読本
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あと、普通のブログもやってます。
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『日本パーソナリティ心理学会20年史』
日本パーソナリティ心理学会20年史編纂委員会 福村出版 2015年
さて。
わたしほどになりますと、買わないでも本が増えるんですよね。
最近はこちらをいただきました。
読んだかというと読んでませんけど、知ってる先生の寄稿とかはさらっと読みました。偉大な先輩方が、パーソナリティ学会を発展させてきたことがよくわかりました。(真面目)
こちらの学会の歴史についての本ですね。
なお、twitterでも大人気の渡邊先生の、おそらくは院生の頃の写真が載っていて衝撃的でした。衝撃的に雰囲気が変わってない…。
渡邊先生のtwitterはこちら、渡邊先生の御尊顔(大きな写真)はこちら。
いやはや、歴史を知るのはおもしろいですねえ。
ちなみに、冒頭で、「買ってないけど」などと言いましたが、たぶん学会の会費から出ている部分もあると思うので、むしろ、「わたしほどになると、知らない間に本代を徴収されていた」とかが正しいかもしれないです。
しばらく前ですと、これなんかは、正真正銘、無料でいただきましたね。(ご恵贈いただきありがとうございました。)
これを機にパーソナリティ心理学を勉強したい人は、このへんとかどうぞ!
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『状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加』
ジーン・レイヴ エティエンス・ウェンガー 産業図書 1993年
この本、すごくよかったです。
ともすると、学習って、教室・黒板・机・椅子・教科書・ノート・教師・生徒、みたいなイメージになっちゃうじゃないですか。
けど、そうじゃないんだよ、って、言ってるんですね、この本は。
言ってしまえば、生きているということは学びの連続です。学校に行っていないから学んでないかっていうとそんなことないわけです。そういうことを言っています。
そんなことの書いてあるこの本を読んで、わたしは、自分の生きている世界と、わたしというものの関係性について、とても深く納得ができたと感じたのでした。
言ってみれば、学習によって社会は再生産されていて、その中ではあらゆるプレイヤーが、正統的周辺参加という方法をもって、それに関わっているのです。教わっていたのがいつのまにか教える方になって、といった具合に。
そう考えると循環的な理論ですよね。循環的な理論といえばやっぱりこの人のことも思い出されたりするわけです。
お世話されていたのがお世話する方になって、与えたりもらったりしながら社会の再生産に関与して、この世を卒業していくという人間像を持った理論ですよね、エリクソン理論も。
そういう、循環的なもののことを思うと、とても安心します。特に、うまくいっていないときに、それは救いであり希望です。
おまえは心理学の本を読んで感動したり希望を持ったりしているのか、と変な目で見られそうですが、実際のところ、そうです。
わたしは心理学に救われているんだなあ、という意味において、この本なんかは本来的に「癒し系」な本です。
救われたい人はぜひ。
なお、エリクソンのことはこちらなんかでご確認いただければと思います。
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『貧困の精神病理』
大平健 岩波書店 1996年
『やさしさの精神病理』、『豊かさの精神病理』、と読んできたわたしですが、『貧困の精神病理』もちゃんと読みました。大平健、始まりの書ですね。
おもしろかったです。精神病理学というのが何なのかがわかりました。病理学を精神(科)領域に応用したものなのですね。納得。
『貧困の精神病理』は、副題にあるように、ペルーの社会についての考察です。考察、といっても、ちゃんとペルーに住んで、いろいろ関わって、書きとめて、整理したものなので、机上の空論ではもちろんありません。『やさしさ~』や『ゆたかさ~』での大平先生は、部屋にこもってばかりでしたが(精神科医だからね)、『貧困の~』ではアクティブです。
貧困が繰り返されるという現象について、精神構造が受け継がれるためであると考察しています。精神構造についての考察では、父性とか母性とか、実に精神科医らしい語が用いられています。全体を通して、繰り返される「貧困」という経済的状況の発生プロセスをきれいに描いているように感じられて、読んでいてすっきりしました。
ともあれ、同時に、前2冊について感じた、「そういう事例ばっかり挙げてるんではないの」という疑問はやっぱり浮かびましたけれども。
なかなか良い読書でした。
日本でも、貧困について関心が高まっていますので、他の国での貧困を考えつつ、自分なりに日本の貧困を考えるために手に取るには最適な本だと思います。
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『よくわかる産業・組織心理学』
山内裕幸・金井篤子 ミネルヴァ書房 2007年
ちょっと会社というところに行かねばならなくなったので、自衛のために読んでみました。
産業・組織心理学というのは、学部から心理学を始めちゃった人間には、なかなかご縁のない分野なのですよね。やっぱり、会社というところがわからないままに勉強するのは難しいというのがあると思います。
かくいうわたしも、10年も心理学を勉強していての未開の地、産業・組織心理学でございました。
いやー、おもしろかったですね。
なんというか、研究の意図がはっきりしているので、読んでいてすがすがしかったです。もちろん、研究の意図はずばり、「会社を儲けさせるための人事戦略」ってところでしょう。
だからなのか、制度作りや介入というものが念頭に置かれた変数で研究が進んでいるという印象を持ちました。介入可能な概念ばかり提唱されているというか。そういうのは、もうちょっと基礎に寄ると、あんまりないような気がします。
この本は、やっぱり、人事部に配属されたら読んでいてほしい…。これくらいは…勉強していてほしい…。せめて…。
でも、人事部の人だけではなく、これから会社に入る人にも読んでほしいなと思いました。人事部的視点で会社を見れるようになると、シュウカツってなんなのかとか、働くってどういうことなのか、といったことについて、前より多角的な考えを持つことができるのではないかと思います。あと、メンタルヘルスの章があるので、自衛にも役立ちます。
しかしながら、いきなり読むのも悪くはないのですが、やっぱり社会心理学が事前科目だな、という感じではあります。産業・組織心理学は、応用分野なので、できれば、社会心理学あたりで、対人関係の理論とか、ストレスの基本事項とかを抑えてからチャレンジしたほうが、すっと入ってくると思います。
その点では、『マネジメントの心理学』のほうが初心者向けかもしれません。
『マネジメントの心理学:産業・組織心理学を働く人の視点で学ぶ』
伊波和恵・竹内倫和・高石光一 ミネルヴァ書房 2014年
なんか、ミネルヴァ書房のまわしものみたいになっちゃった!
偶然だよ!
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9月は、本を1冊紹介しました。
あとは、「学会で買っちゃった☆」が3冊ですね。
買うから読むのであって、読むから買うのではない。人は、買った数より少なくしか読めないのだ…。そうこころに言い聞かせて買っております。
・心理学の本
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・学会で買いました
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日本心理学会第79回大会にて、1冊買いました。
『キャリア・コンストラクション・ワークブック:不確かな時代を生き抜くためのキャリア心理学』
安達智子・下村英雄 金子書房 2013年
前から欲しかった本です。
とりあえず、表紙がおもしろいですね。帯に書くような本の紹介が、表紙に直に書いてあります。
本の構成としては、自分のことをワークの部分に書きつつ、それを事例として、キャリア心理学の理論を身近に学ぼう、といった感じでしょうか。
15章構成ですが、1章が短めなので、とっつきやすいかもしれません。なお、各章独立らしく、どの章からやってみてもいいそうです。たしかに、目次を見るに、「2章をやらずに5章をやっても意味わかんないんじゃない?」という感じではないですね。
執筆者は7人ですが、そのうちの2人には今回の学会でお会いしていることにいま気がつきました。また、それとは別の2人に、以前別の機会にお会いしたことがあるので、7人中4人を知っているという…。個人的に親しみやすい本で、読むのが楽しみになってきました。
今回買ったのはこの1冊だけです。
あと、こちらもチェックしてみたのですが、結局買いませんでした。
中身はほぼワークでした。
マシュー・マッケイ ジェフリー・C・ウッド 星和書店 2012年
書店の人に聞いたら、こちらとセットで持っていたほうがいいそうです。
『弁証法的行動療法実践トレーニングブック:自分の感情とよりうまくつきあってゆくために』
Matthew McKay・Jeffrey C.Wood・Jeffrey Brantley 星和書店 2011年
手にとっても買わなかったということは、きっとわたしが治ってしまったということでしょうね。
治ってしまったら、治りたいとは思わないんですねえ。当然と言えば当然ですが。
なお、今年度の学会発表は全て終了いたしました。あとは、見に行くのが1件だけです。
そのときに、『現代社会と応用心理学1 クローズアップメンタルヘルス・安全』が買えるといいなあ。福村書店の人に聞いたら、見に行くだけの学会が開催される頃には刷り上がっているはずだ、という話だったので。
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ともあれ、もりもり読まねばなあ。